会社の経営状態に関係なく、比較的容易に資金調達ができる「ファクタリング」は、銀行融資とは異なる新しい融資の形として近年注目を集めるようになっています。最近よく耳にするようになった方法ではあるものの、その原型は百年以上も前から行われていたもので、19世紀の米国で盛んに実施されるようになったとされています。当時の起業家にとって最大の課題が、どのようにして資金調達をするかということでしたが、支払いサイクルを前倒しすることで資金の回収を可能とした資金調達方法が広く採用されるようになって以降、米国の強力な経済成長の後押しとなりました。その方法がファクタリングです。

その一方で日本国内では手形による取引が主流と言う時代が長く続きましたが、バブルの崩壊によって手形取引が減少しファクタリングが注目されるようになりました。売掛金の現金化が手軽にできるということで、多くの企業の注目の的となったのです。さらに近年では経済産業省中小企業庁が売掛債権の積極的な流動化を推進し、ファクタリングが正当な資金調達方法であると政府が認めて利用を後押しするようになってきたこともあり、特に2000年代以降の利用が大きな伸びを見せています。インターネットでの電子決済が普及も進んできていることや、金融機関ほか民間のファクタリング専門の会社の参入も相次いできていることで、その取引規模は爆発的に拡大しています。

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